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利益は“管理”ではなく“設計”で生まれる

2025年11月13日
利益は“管理”ではなく“設計”で生まれる|建設業の利益構造改革ガイド
利益は設計で生まれる

利益は“管理”ではなく“設計”で生まれる ― 建設業の利益構造は「仕組み化」でしか変わらない ―

建設業の現場でよく聞く悩みに、 「粗利が読めない」「数字管理ができない」「現場ごとの利益差が激しい」 といった声があります。しかし、これらの多くは“管理不足”ではなく、 そもそも最初の“設計”が存在しないことが原因です。

外資系コンサルタントの視点で整理すると、利益は「後追い管理」で作るのではなく、 仕事を受ける前の段階で勝負の8割が決まる“利益設計”の考え方が欠かせません。

1. 利益は「現場」ではなく「設計図」で決まる

多くの下請け企業では、見積・原価算定・外注比率・工期読み・リスク見積が 個人の経験に依存しており、同じ会社の中でも判断がバラつきます。 その結果、現場が始まってから「管理」で調整しようとしても、 最初の見積精度が低いと挽回が極めて困難になります。

利益設計とは、 どの案件を受注すべきか/どの単価で採算が合うか/どの工程が利益を押し下げるか を事前に数値で可視化し、勝ちパターンのみを受注する仕組みです。

2. 粗利率25%企業が必ず持っている「3つの設計」

(1)見積設計:採算ラインの“共通言語化”

  • 会社としての標準粗利率を定義
  • 原価の最低ラインを部門別に明文化
  • 外注依存度の限界値を設定

(2)原価設計:現場別の利益を事前に想定

  • 工期×人件費×外注×材料費をテンプレート化
  • セットで起きる“利益毀損パターン”を事前に排除
  • 変動費と固定費を統合して「会社の採算」に落とす

(3)組織設計:数字を理解できるチーム構造

  • 現場管理→数字管理へ役割定義を再構築
  • 経営会議で使うレポートの標準化
  • 属人管理から脱し、仕組みで動く組織へ移行

3. “管理会計×経営会議”で利益設計を軌道に乗せる

利益設計を実現させるためには、毎月の経営会議が 「数字で意思決定する場」に変わる必要があります。

特に外資系コンサルティングで重視されるのが、 ・現場別粗利 ・案件ポートフォリオ ・粗利改善の打ち手 をセットで評価する“案件資産”の考え方です。

これは、建設業でも非常に有効で、 強い案件と弱い案件を見極め、勝てる案件の比率を増やすだけで 粗利率は平均 5~10% 改善します。

4. 利益は「がんばり」ではなく「構造」で生まれる

利益が増えない会社の特徴は、 「管理をがんばる」方向に力を入れます。 しかし利益が高い会社は、 “構造を先に作る” という真逆のアプローチをとります。

たとえるなら、家が建ってから「柱の位置」を調整することはできません。 最初の設計が正しければ、完成物は自然と強く、美しく仕上がります。 利益も同じで、設計が悪いものは管理では救えません。

建設業は“仕組み化で利益を作る”業界へ確実に移行しています。 市場や元請の要求が高度化する中、 属人的な判断で戦える時代ではありません。

5. 利益設計を導入すると何が変わるのか

  • 案件選定が明確になり“勝てる現場”だけが積み上がる
  • 見積制度が標準化され、粗利率のブレがなくなる
  • 最適原価が明文化され、現場開始前に利益が読める
  • 経営会議が「数字で意思決定する場」に変わる
  • 最終的に、粗利率+5〜15%、年間利益+1,000〜3,000万円が可能に

まとめ

利益は「管理」で追いかけるものではなく、 最初に“設計”してしまう方が圧倒的に再現性が高いということです。 建設業の経営は、現場の頑張りに依存するのではなく、 勝てる構造を先に作ることで劇的に安定します。

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