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【事例】資金ショート寸前からV字回復 ― 経営改善のリアル

2025年10月30日
経営改善・V字回復を象徴するビジネス街の風景

【事例】資金ショート寸前からV字回復 ― 経営改善のリアル

鈴木進一 エスエスコンサルティング代表
執筆:鈴木進一(エスエスコンサルティング株式会社 代表取締役)
建設業専門コンサルタント。元請紹介・財務改善・資金繰り改善支援を通じ、下請け企業の経営を再生・成長軌道に導く。

「来月の支払いができない」――そう語っていた建設業経営者が、 わずか半年で黒字転換・資金残高1,000万円超を達成しました。
今回は、資金ショート寸前からV字回復した実際の改善プロセスを公開します。

① 状況:資金ショート目前 ― 月末の支払いが不透明に

当初の相談は「銀行に断られた」「税金も遅れている」という状況でした。
粗利率14%、外注比率65%。売上はあるが利益が残らない典型的な構造。
資金繰り表もなく、社長自身が「どこにお金が消えているか分からない」状態でした。

🔍 主な課題
・原価把握の不正確さ(現場別損益なし)
・下請け支払い先行・入金遅延の慢性化
・銀行格付け「5」評価で追加融資不可

② 改善ステップ:3ヶ月でキャッシュをプラスへ

まず着手したのは「資金の見える化」
売上・入金・支払を週次単位で整理し、月末にいくら残るかを明確化しました。 さらに、粗利率を高めるために外注見直し+原価管理シートを導入。

  • 1ヶ月目:資金繰り表+支払優先順位表の作成
  • 2ヶ月目:赤字案件の精査と撤退判断
  • 3ヶ月目:金融機関との再交渉に成功(短期借入500万円調達)
💡 ポイント
「お金を借りる前に、“借りられる状態”を作る」こと。 → 粗利率・支払管理・利益計画を整えて信頼を再構築。

③ 結果:半年で資金残高+1,200万円・格付け7へ

改善開始から半年後、会社のキャッシュフローはプラスへ。 銀行格付けも「5」→「7」に上昇し、次年度の運転資金2,000万円枠が承認されました。
社長自身も「数字を見る習慣」がつき、現場会議では利益率を話題にする文化が定着。

📈 成果まとめ

項目 改善前 6ヶ月後
粗利率14%24%
資金残高▲50万円+1,200万円
銀行格付け57
金融支援枠0円2,000万円

④ 鈴木進一のコメント

資金ショートは「結果」であり、「原因」は日々の意思決定の積み重ねです。
現場・経理・経営の数字を一本化するだけで、資金は動き出します。 今後も「数字で経営を見える化する文化」を広げていきます。

※掲載データは実際の支援事例を基に一部数値を再構成しています。

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