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No.10「材料費が上がったのに、単価はそのまま…」値上げ交渉に成功する会社、失敗する会社の決定的な差 

2025年11月25日
「材料費が上がったのに、単価はそのまま…」値上げ交渉に成功する会社、失敗する会社の決定的な差

「材料費が上がったのに、単価はそのまま…」値上げ交渉に成功する会社、失敗する会社の決定的な差

「コンクリも木材も、2年前の1.5倍だぞ…」
「でも元請けに言ったら『じゃあ他を使うよ』と言われそうで怖い」

昨今の資材高騰・インフレは、下請け企業の経営を直撃しています。
売上は変わらないのに原価だけが上がり、利益が蒸発していく。これは実質的な「赤字の押し付け」です。

ここで「長い付き合いだから」と我慢して飲み込む会社は、遠からず資金ショートします。
一方で、しっかりと交渉して単価アップを勝ち取り、利益を守っている会社も存在します。

両者の違いは「強気かどうか」ではありません。
「相手(元請け)が納得せざるを得ない『武器』を持っているかどうか」です。

「苦しいから上げてくれ」は交渉ではない

値上げ交渉に失敗する社長の共通点は、「感情」で訴えてしまうことです。
「ウチも厳しいんですよ、お願いしますよ」――これでは、相手からすると「ただのワガママ」や「経営努力不足」と捉えられてしまいます。

ビジネスの交渉に必要なのは、「根拠(エビデンス)」だけです。

元請けを動かす「3つのエビデンス」

元請けの担当者も、会社員です。
彼らが上司や施主(オーナー)に「下請けへの発注額を上げたい」と承認をもらうためには、説得材料が必要です。

その材料を、あなたが用意してあげるのです。

1. 品目別の「価格推移データ」

「全体的に上がっている」ではなく、具体的に示します。
「昨年4月と比較して、生コンが◯%、鉄筋が◯%上昇しています。メーカーからの通達文書がこれです」
公的な統計データや、仕入れ先からの値上げ通知書を添付しましょう。

2. スライド条項(インフレ条項)の活用

建設業法や約款には、資材価格が急激に変動した場合に請負金額を変更できる「スライド条項」が存在します。
「法的に認められた権利」であることを前提に話を切り出すだけで、相手の態度は変わります。

3. 「見積もりの有効期限」の短縮

「この見積もりは3ヶ月有効」なんて書いていませんか? 今の時代、それは自殺行為です。
「資材価格の変動が激しいため、有効期限は2週間とさせていただきます。それ以降は再見積もりとなります」
と明記し、リスクを回避する姿勢を見せましょう。

元請けも実は「値上げ」したがっている?

ここが重要なポイントです。
実は、元請け自身も施主に対して「資材高騰分を追加請求したい」と考えているケースが多いのです。

しかし、根拠がないと言い出せません。
あなたが詳細な根拠資料(値上げの正当性)を出すことは、元請けが施主と交渉するための「武器」を渡すことでもあります。

「一緒に施主に認めさせましょう」というスタンスで協力すれば、値上げは通りやすくなります。

それでも「嫌なら辞めろ」と言われたら?

その時は「撤退」が正解です。
  • 赤字になってまでやる仕事に、何の価値もありません。
  • 「安く叩ける都合のいい業者」扱いされている限り、その元請けと付き合っても未来はありません。
  • 空いたリソースで、適正価格で発注してくれる新規顧客を探すべきです。

「断る勇気」を持つためには、常に「今の元請け以外にも選択肢がある」状態を作っておくことが重要です。

「交渉資料」の作り方が分からない社長へ

「理屈は分かるが、資料を作っている時間がない」
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