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銀行へのリスケ交渉を失敗しないためには?リスケ交渉の種類も解説

2023年5月24日
銀行へのリスケ交渉を失敗しないためには?リスケ交渉の種類も解説

リスケ交渉とは、銀行への返済が難しくなった時に減額や返済時期の調整を依頼することを指します。

資金繰りに困った際、現金を手元に残しておくために交渉をして、元本据え置きや返済期間の延長など様々な対応をしてもらいます。

本記事では、リスケ交渉の概要や対応方法、相談先などを解説しているので参考にしてみてください。

リスケ交渉とは

リスケ交渉とは、銀行から融資への返済時期の変更及び減額交渉を指します。

ちなみに、リスケとはリスケジュールの略称でスケジュールを組みなおす意味があります。

リスケ交渉をしなければいけない状況は会社が軌道に乗っている時ではなく、資金繰りが悪化しているタイミングが多いです。

リスケ交渉が成功することにより、当面の資金繰りが安定し経営再建までの期間を延ばせます。

「あと、○○円が足りない……」というときに活用し、なんとか経営を維持したい時に利用するのです。

リスケ交渉が経営再建で効果的な理由

リスケ交渉が経営再建で効果的な理由は、資金繰りの安定が理由ではありますが具体的には以下の2点があります。

  • 借入金の返済額を一時的に減らせる
  • 資金繰りを改善し経営再建までの期間を延ばせる

弊社でリスケ交渉の支援も行っていますが、このような要件で行うことが多いので参考にしてみてください。

借入金の返済額を一時的に減らせる

借入金の返済について、返済期間を延長して1カ月あたりの返済金額を減らすことで資金繰りを安定化させる方法です。

例えば、10年で1億円を返済するのを15年で返済することにできれば、1カ月あたりの返済額が変わるというイメージです。

単純計算で、1カ月あたりの返済額が10年の場合は83万円であったのが、55万円になる計算となります。

30万円は企業にとっては少ない金額とはなりますが、資金繰りが厳しいときはまた違います。

また、利率を下げて支払額を減らしてもらえることもあるため、交渉時に何が可能かヒアリングしてみましょう。

資金繰りを改善し経営再建までの期間を延ばせる

返済期間の延長や利率を下げることで、手元にお金が残ることで従業員の給料や必要経費を支払えます。

会社経営において、従業員がやめてしまうとお金が残っても、経営再建は難しいです。

どれだけ情があったとしても、給料をもらえないと辞めざる得ないです。

そのため、手元により多くの現金を残すことで、従業員に残ってもらい売り上げを立てて経営再建に臨みましょう。

また、商品を扱っている場合、製造のための資材が必要になるので支払うための現金が必要になります。

債務支払いでいっぱいいっぱいであると、資材を購入できないため売り上げが立ちません。

そのため、現金をより手元に残す必要があるため、リスケ交渉は効果的です。

リスケ交渉の種類

リスケ交渉は3種類あり、返済期間を延ばすことや元本支払いのみにする、減額してもらうなどがあります。

企業の業績や経営状態によって、どのような対応を銀行にしてもらえるかは変わりますが代表的な方法であるため紹介します。

自社がどのような対応をしてもらいたいのかを含め、参考にしてみてください。

一定期間の返済額を減額

リスケ交渉の内、一定期間返元金の済額を減額してもらい経営再建を支援してもらう方法です。

現状○○円返済していて、○年まで○○円まで下げてほしいという交渉をします。

この交渉については、極論いつまでは0円にしてほしいという交渉も可能で、将来性を示して現在会社を助ければより利益につながることを銀行に提示できれば通ることもあります。

そのため、返済額の減額に臨む場合は資料の作成などを入念に行い、応じてもらえる準備をしましょう。

一定期間の元本支払いを据え置く

元本据え置きとは、一定期間の間元本の返済が発生せず、利息のみの返済にしてもらえる措置です。

ポイントとしては、以下の4つになるので参考ください。

  1. 返済期間の延長: 元本据え置きの場合、借り手は元本の一部または全部を返済することはありません。代わりに、銀行と交渉し、返済期間の延長を取り決めます。これにより、毎月の返済額が減少し、返済負担が軽減されます。

利息の支払い: 元本据え置きでは、元本の返済がないため、利息の支払いが主な返済負担となります。交渉の結果、利息の支払い額を見直すことができます。銀行と合意に達すれば、利息の一部または全部を減らすことが可能です。

  1. 追加の手数料や罰則の延期: 元本据え置きの場合、追加の手数料や罰則金の支払いを延期することも交渉の対象となります。これにより、借り手は現在の経済状況に対応できるよう、負担を軽減することができます。
  1. 信用情報への影響: 元本据え置きは、銀行との合意に基づく返済計画の一部として行われます。借り手は、交渉が成功し、銀行との合意通りに支払いを行えば、信用情報への悪影響を最小限に抑えることができます。

返済期間を延ばして返済額を減額

返済期間を延ばすことにより、毎月の返済額を抑えてもらう措置です。

返済する期間は伸びますが、毎月の支払額が減額されるので会社の負担が減ります。

バンクミーティングがリスケに与える悪影響

リスケ交渉において、バンクミーティング(会社に融資している銀行が一堂に会する場面)はマイナスに働く可能性があります。

以下のような悪影響があるため、ご参考ください。

  • 個別交渉ができない
  • バンクミーティングで資金回収が優先されてしまう可能性がある

個別交渉ができない

バンクミーティングの場合、複数の銀行が集まり方針を決めるため各銀行への個別交渉が難しいです。

そのため、バンクミーティング前に各銀行に個別で伝えておきたいことは早めに伝えておく必要があります。

融資をしている会社の今後を銀行同士が話し合うため、駆け引きができないことが懸念点です。

個別交渉していれば、リスケ交渉がスムーズであったのにバンクミーティングで白紙に戻ってしまう可能性があるため、念頭に置いて対応をしましょう。

バンクミーティングで資金回収が優先されてしまう可能性がある

バンクミーティングで、複数の銀行が融資額の回収を優先にする議題を投げ、他行も同様の考えになってしまうとリスケ交渉どころか返済を急かされてしまう可能性があります。

資金回収が優先されてしまうと、融資打ち切りはおろかその後の支援が受けられず、返済を優先しないと訴訟問題に発展する可能性があります。

バンクミーティングでは真摯な対応を意識して行いましょう。

資金繰りが悪化する要因

リスケ交渉をしなければいけないような状態になる理由として、2020年初頭に発生した新型コロナウイルス感染症(以降コロナと略)による経済的打撃が大きいとされています。

製造業は材料が届かず商品を作れないほか、飲食業は政府及び地方自治体による制限で客足が遠のき廃業する店舗も増えているといいます。

当社でもそのような瀬戸際に立たされた企業を支援していますが事態は深刻です。

コロナによる業績悪化

コロナの流行により、商品が作れない・売れない・お客さんが来ないなどの課題を抱えギリギリの経営をしている会社は複数社あります。

売り上げが立たず従業員も減り、先行き不安な会社は銀行に融資を募るが返済のめどが立たずに破綻ということもあるのです。

コロナ関連で融資を受けて返済できない状態になっている

コロナで業績が下がった段階で、コロナ関連の融資や助成金等の制度が新設されています。

コロナ関連の支援で、日本政策金融公庫が出している新型コロナウイルス感染症特別貸付のような精度があり、利率もかなり低くなっています。

しかし、融資後から〇年で基準利率に戻ることが多いため、基準利率になるまでに経営再建が出来ないと現金が大幅に減ってしまう可能性があるのです。

投資家が事業に将来性を見出せなくなり撤退してしまう

新型コロナウイルス感染症により、将来性が見出せなくなった会社に対し投資家が撤退し、保有していた株式を手放すことによって資金が大きく目減りしてしまうことがあります。

資金調達したお金が大幅に減ってしまうと、その後に必要であった予算が確保できないほか、従業員への給与も支払えなくなってしまいます。

あると思っていた資金が無くなってしまうと、その後の対応が止まってしまうので、株主への相談やリスク回避のために融資の目途もつけておきましょう。

資金繰りを改善するための方法

資金繰りを改善するための方法としては、以下の3つの方法があります。

  • 支払いサイトの見直し
  • 経営コンサルタントへの相談
  • バンクミーティング前に先手を打って相談する

資金繰りに困っていない段階で対応するのが良いですが、資金繰りに難航した場合でも試してみてください。

支払いサイトの見直し

建設会社や商品を扱っている会社に多い話で、支払いは対応後2カ月後に入金といった支払いサイトの場合、先出の資金が必要になります。

支払いサイトが遅ければ遅いほど先出しの資金が増え、場合によっては融資を受ける必要があるのです。

そのため、対応した翌月には着金するように調整できないか交渉しましょう。

対応したのに、お金が入ってこない大幅に遅れて入金される事態は避けるべきなので、難しい場合は外部人材に頼って交渉してもらいましょう。

経営コンサルタントへの相談

経営コンサルタントに相談することで、銀行との連絡ややり取り、駆け引きについて相談できます。

当社の場合、銀行とのやり取りを含めて代行可能なので、実績や専門知識を持ってご支援いたします。

資金関連以外の、人材不足などの課題についてもご支援可能です。

バンクミーティング前に先手を打って相談する

バンクミーティングが行われる前に、各銀行にアプローチを行い、各銀行の不安を解消しておくことでバンクミーティングを開かせないという選択です。

バンクミーティングが行われることで、円滑に進むこともあればリスケ交渉が難航するなどのデメリットもあるため、先に対策をしておきましょう。

○○銀行は利率を下げてくれたが、どうにかお願いできないか…などです。

リスケ交渉を上手く進めることで経営が前進する

リスケ交渉を上手く進めることにより、資金難を解消できる可能性が上がります。

銀行との駆け引きや資料の準備など、対応すべきことは多いですが必要な状況になったら失敗しないようにしましょう。

エスエスコンサルティングでは、リスケ交渉の対応からご支援します。

どのように進めれば良いのかわからない、資料作りが不安という方はご相談ください。

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